2016/01/06

地テシ:079 2016年と中島清之展

新年明けましておめでとうございます。2016年! 今年もよろしくお願いいたします。今年の一発目は2016年劇団☆新感線春興行 いのうえ歌舞伎《黒》BLACK「乱鶯」ですが、秋公演として宮藤官九郎さんが書くと発表されちゃいましたので、春と秋は新感線でよろしくお願いいたします!


毎年、可能ならばゲームしながらの年越しを心がけておりまして、没頭している内に気がついたら年を越していたというのが理想です。今年も「Fallout 4」を夢中でプレイしている内に気がついたら年を越していました。幸先の良い新年です。
以前にも書きましたREGZAを買ってからタイムシフト視聴が基本になっている私ですので、年末年始の特番もタイムシフトで観ています。今のところやっと年末特番を消化して、やっと新春特番に入りました。もう世間は新年気分は抜け始めているのに、私だけまだ新春気分です。

そんな新春気分の私ですが、新春早々、急に思い立って美術展に行ってきました。ネットで見つけて妙に気になった「横浜発 おもしろい画家:中島清之ー日本画の迷宮」(横浜美術館)です。
















あんまり日本画は見ないのですが、ちょっとコレは気になっちゃたのよ。なにやら面白そう!

というワケで新年から横浜に行ってきちゃいました。

中島清之とかいて「なかじまきよし」と読むらしいのですが、大正から昭和に掛けての日本画の大家でして、東京芸大の講師として教鞭を執ったこともある重鎮です。重鎮らしいのですが、この展覧会のタイトルである「おもしろい画家」というのが気になっちゃったんですね。

気になって行ってみたのが正解でした。確かに面白い。何て言うか、作風が固定していないんだよね。日本画をベースとしながら、洋画とか抽象画とかアンフォルメルとか、色んなムーブメントを採り入れて、どんどん作風が変わっていくんですよ。しかも、一枚の作品の中にそれが混ざっちゃう。
日本画の特徴である、輪郭線を描いちゃうとか遠近法を使わないとか暈かしを使うとか、そういう手法と洋画の手法を混ぜちゃう。物凄く精密に描いてある部分があるかと思いきや、物凄くデフォルメされた部分が一枚の中にあったりします。
着物の柄や生物の皮膚模様を精密に描くのに背景がモヤッとしてるんだとか、一度描いた精密な背景を塗りつぶしちゃうんだとか、そこに金箔貼っちゃうんだとか、輪郭をピンクで描いちゃうんだとか、その角度とこの角度が混在しちゃうんだとか、コレはもうキュビズムなんじゃないかとか、アクリル画みたいに塗りつぶしちゃうんだとか、そこしか描かないんだとか、漫画みたいな表現するんだとか、なんだかもう何でもアリな作風なんですよ。

初期のいかにも日本画な作品も良いのですが、後期の大判の作品、例えば一面に笹の葉を描いた「緑扇」なんかは細密な日本画とミニマル・アートが融合したような作風で見応えがあります。
他にも見所が多くて、実に刺激的な展覧会でした。1/11には終わっちゃうから、もしお時間がございましたら是非。

そして、ついでのようですが、同時に開催している「横浜美術館コレクション展」の「大正・昭和の横浜から」には多くの美しい陶器が展示されているのですが、その中の宮川香山による「記念杯(一対)」という杯がむっちゃ可愛い! 杯を白兎と茶兎(だか鹿だか狸だか)に見立てた作品なのですが、コレを紹介したくてネットを探しまくっても写真がどこにもないんですよ。こんなにカワイイのに! なので、是非とも実物を見て頂きたいのですよ。

よろしければ、新年には横浜に行ってみてくださいませ。じゃ、今年もよろしくです〜!