2017/07/29

地テシ:093 「トリドクロ」と「サブマリン」

いやあ、またしても長い間が空いてしまいました。すみません。色々と忙しいのよ、私も。主に稽古と舞台とゲームで。ゲームかよ! ゲームだよ!

そんなこんなの夏。「髑髏城の七人 Season鳥」の幕も無事に揚がりまして、もう一ヶ月も経ちました。でも半分です。ドタバタしながら、でもなんとかみんな無事にやっております。
それに関連して、TBSさんの公式ページにて稽古場レポートであるアワブロ(http://www.tbs.co.jp/stagearound/toridokuro/blog/)や、新感線公式Facebookで劇場近辺のマニアック情報をお届けする「都のたつみ・東京の右下」(https://www.facebook.com/gekidanshinkansen/)などの連載も書いておりますよ。よろしければご覧下さいませ。
すでに皆様の興味がカゼドクロやツキドクロに向かってしまっているのではという心配もありますが、トリドクロも9/1まで上演してますよってコトで。

そしてその9/1を過ぎれば私は次の舞台の準備に入ります。東京ハートブレイカーズ「サブマリン」は9/19から9/25まで、吉祥寺STAR PINE'S CAFEというライブハウスで行われる公演です。
東京ハートブレイカーズは首藤健祐さん主宰の劇団で、最近では作中に出演者によるライブ演奏シーンが入るのが特徴。なのでライブハウスでの公演なのですよ。2013年には私も「サイレント・フェスタ」という作品に参加させて頂きました。

今作は伊坂幸太郎さんの小説「サブマリン」の舞台版でして、家庭裁判所の調査官と少年たちの物語です。以前に東京ハートブレイカーズでも舞台化した、同じ伊坂さんの連作短編集「チルドレン」の続編ですが、前作を読んでいなくても大丈夫。伊坂さんらしい個性的なキャラクターたちの飄々としたやりとりが印象的な小説です。もちろん、舞台をご覧になるうえで原作を読んでいなくても大丈夫です。

公演に関する詳しいことはこちら。
http://www.tokyoheartbreakers.com/stage/submarine/index.html

ライブハウスですが、今回は全席指定席制。ですので、開演時間までにお越し下さればちゃんと席はあります。
それと、9/20,21,22のウィークデー公演は特典が付くそうです。
そのあたりについて詳しくはこちら。
http://www.tokyoheartbreakers.com/stage/submarine/info.html

プレオーダー期間は7/29(土)12:00から8/5(土)18:00までとなっておりますのでお早めに!

家裁調査官と少年たちの、罪と罰の物語。ではありますが、決して堅苦しい話ではなく、とはいえ考えさせられるコトも多い作品ですが、魅力的なキャラクターたちが織りなす軽快なやりとりが素敵な小説ですから、きっと舞台も面白くなると思います。直前の告知となって心苦しくはありますが、よろしければお越し下さいませ!

2017/04/26

地テシ:092 「スキップ」と「きりしたん算用記」

「春宵〜読ミビトツドイテ」から一ヶ月。そろそろ皆さんお待ちかねのゴールデンウィークがやってきますね。そして! NAPPOS PRODUCE「スキップ」も始まりますよ!

http://napposunited.com/skip/

13年前に演劇集団キャラメルボックスが上演した名作舞台の再演です。初演の脚本と演出をベースに、更にブラッシュアップされた今作。出演者も岡田達也君以外が一新されています。
北村薫さんの名作小説の舞台化でして、北村ファンである私も納得の面白さだった初演から13年。元国語教師が書いた小説を、元国語教師が演出する、国語教師のお話。初演に負けない面白さになっていると思います。若干枚数ではありますが、当日券も出るそうですので、気になる方は公式HPから電話予約に挑戦してみて下さい。あと、原作小説も面白いので、是非。

そして、その「スキップ」が終わった直後の5/8〜12にはNHK-FMのラジオドラマ・青春アドベンチャー「きりしたん算用記」にも出演いたします。毎日22:45〜23:00の深夜に15分ずつの連続ラジオドラマです。

http://www.nhk.or.jp/audio/html_se/se2017009.html

久しぶりのラジオドラマでしたが、大塚千弘さんなど知り合いも多く、楽しくやれました。迫害されつつある戦国末期のキリシタンと、後の和算隆盛に繋がっていく算術とが不思議な縁で繋がっていく物語です。
少々聞きにくい時間かもしれませんが、全国のラジオで聴けますので、どうぞよろしくお願いいたします。

現在、IHIステージアラウンド東京では劇団はハナドクロの上演中ですし、そうこうするうちにトリドクロの稽古も始まります。

http://www.tbs.co.jp/stagearound/toridokuro/

昨冬の暇さ加減が嘘のように春から急に忙しくなってきました。体調に気をつけて頑張っていきたいと思います。

2017/03/23

3/22

この3/22はゼータクチクvol.2の初日の幕も開いたし、本編には出ていない「シン・ゴジラ」のディスクも発売されたけど、実は「VBB」のディスク発売日でもあったのだな。忘れてた。
シン・ゴジラ本編には出てないけど、ゼータクチクにもVBBにもちゃんと出てるぜ、俺!

2017/03/22

ゼータクチク vol.2「春宵・読ミビトツドイテ」開幕!

いよいよ3/22から始まりますよ!
ゼータクチク vol.2
「春宵・読ミビトツドイテ」
3/22(水)〜26(日)
池袋・cafe&bar木星劇場

https://twitter.com/teamhandy_aorz

ほぼ完売でしたが、客席を組み直してもうちょっと席数を増やしたので、全日数枚は当日券が出るそうです。予約はしてないけど行ってみたい、という方は挑戦してみてはいかがでしょうか?


ただ、場所がちょっと判りにくい。私も苦手な池袋西エリア、何度行っても覚えられない西エリア、魔窟と呼ばれた西エリア。いや、呼ばれてはいませんが。

まず、地上から行かれる方へ。
池袋駅西口から正面の大通りの左側を真っ直ぐ歩いて、池袋マルイシティを越えたら、交番のある変形交差点を左斜め方向の立教通りに入ってください。そしたらすぐ次の角の右側、135酒場さんの地下です。



地下から行かれる方ならもっと簡単です。池袋地下街の一番端っこ、C3出口から出て右に曲がったらすぐです。

更に! 入り口も判りにくいのです! なんてこったい! ええと、135酒場さんの角の手前右側にある自動ドアに入って正面です。路上に看板とか出るのかどうか判りませんが、とにかく見落としやすいので、135酒場さんまで行っちゃったら、五歩ほどお下がりください。その右側です。六川不動産さんのあるビルの地下ですよ! お待ちしております!

あとね、ついに「シン・ゴジラ」ディスクが発売されましたね。気になる人はスペシャル特典ディスク付きのを買えば良いんじゃない?

2017/03/07

エフエム世田谷「劇ナビ!!」

この三月末に上演されるゼータクチク vol.2「春宵・読ミビトツドイテ」の宣伝として、エフエム世田谷の「劇ナビ!!」の収録を行ってきました。オンエアは3/8(水)の夜10時から。もう明日だよ!
出演者のうち、草彅智文くん、亀山ゆうみさん、そして私がゲストとして喋ってきました。ナイスなトークで司会をして下さったのは植本潤さん。あれ? 結果的に出演者の四人ともじゃん!

世田谷近辺の方ならFMラジオで聴けますが、それ以外の方でも大丈夫。公式ホームページhttp://www.fmsetagaya.com/にアクセスして頂き、右上の「click here!」をクリックして頂ければ聴けますよ。
ただし、タイムシフトではないのでその時間にしか聴けませんし、radikoなどのアプリでは聴けません。そのあたりだけご注意ください。

この公演の謎の一端が明らかになると思いますので、是非!

2017/02/20

わかった!

先日ご紹介した、Nulbarichの「New Era」ですが。




コレ、多分、10ccの「I'm not in Love」の現代的解釈だ!



勝手な思い込みかもしれないけどね……。

2017/02/10

「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」

ちょっと短く映画の話を。

今日、ティム・バートン監督の「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」を、「4DX」で見てきたのですが。




ダーク・ファンタジーでもSFでもある不思議なこの作品と、色んなギミックのある4DXとの親和性の高さに驚いたので、思わず書いてしまいました。詳しく書かないけど、もうね、凄いよ!

公式ページはこちら。

イギリスで、爆撃から逃れる、という設定から、コニー・ウィリスのオックスフォード大学史学部シリーズを思い出したりしました。こちらも面白いので、是非。

2017/02/07

【緊急告知】ゼータクチク vol.2「春宵・読ミビトツドイテ」

ええと、急に決まったことなのですが、「スキップ」の前に、三月下旬にも舞台に出ることになりました。


ゼータクチク vol.2「春宵・読ミビトツドイテ」
3/22(水)〜26(日)
池袋・cafe&bar木星劇場

https://twitter.com/teamhandy_aorz
チケットのご予約はこちらから↑


「真田十勇士」の時に殺陣を指導して頂いたTEAM HANDYさん。ACTACTIONというアクションバリバリの公演も行っていらっしゃるのですが、それとは別に、小さなスペースでの芝居公演を行っているのが、このゼータクチク。

その第二弾に出演することが決まりました。本当に、突然に。
演出はいつもお世話になっているリリパットアーミーIIのわかぎゑふさん。出演はTEAM HANNDYの草彅智文さんと亀山ゆうみさん。そして植本じゅねと私。

ホントに小さな劇場でして、キャパは30人くらい。目の前がステージです。その分、濃密な体験となることでしょう。

これだけの情報ではどんな舞台になるのか、想像がつかないかもしれません。大丈夫。私にもよく判りません。なにしろ急に決まったもんで。

どんな舞台になるのかは、徐々に判っていくと思います。ていうか、私が知りたいです。
週末は混んでいるから、前半がオススメですよ!




2017/02/05

地テシ:091 もうちょっと音楽の話を

春に上演されますNAPPOS PRODUCE「スキップ」の公式HPで、作・演出の成井豊さんと共演の岡田達也さんとの座談会が掲載されました。まだまだ先の公演ですが、徐々に情報が出ていきますので、ジリジリとお楽しみください。
http://napposunited.com/skip/
さらにもう一つ、春の予定が飛び込んできましたが、それについては次回!

さて、私の好きな音楽を紹介していくシリーズですが、そんなシリーズだったのかと私も驚いていますが、松重豊さんの番組・FMヨコハマ「深夜の音楽食堂」に出てしまったお陰で音楽談義が止まらなくなってしまいました。すみません。まさにチラシの裏というか、「今これをプレイしているよ。今のジョブはこれ」みたいな話になってしまっていましてすみません。音楽ネタはこれで一旦終了するから!


昨年の秋に定額制音楽サービス「Spotify」が日本でも始まりまして、丁度ツアー中で長いホテル暮らしだったもんですから重宝させて頂きました。そして今でも家ではずっと垂れ流しに聴いています。
あくまで個人的にはですが、同じく定額サービスであるApple Musicよりも使いやすいように思います。できることはほぼ同じなのですが、プレイリストに含まれる曲数がSpotifyの方が多くて垂れ流しにしやすいんですよ。
あと、Apple Musicだと、自分のライブラリと一括に管理されちゃうから、自分で買った音楽かどうかが判りにくくなってしまうのがちょっと困るってだけなんですけどね。

そんなワケで、Spotifyのお陰で今まで全く知らなかったアーティストが芋づる式に発見できて、嬉しいやら忙しいやらの日々です。ただ、レアすぎてタワレコにもamazonにもCDがないのが多くて困っています。


さて、なぜだか始まっちゃった好きなアーティストをただただ羅列するシリーズの洋楽篇です。あまり幅広くすると大変なので、「深夜の音楽食堂」でご紹介したアシッド・ジャズからソウル、クラブミュージックのあたりからにしましょう。
番組ではFive Point PlanShirma RouseGURUをリクエストしましたが、詳しくはこちらを。
http://awanemacoto.blogspot.jp/2017/01/088117oa.html


まずは、Shirma Rouseと同じくSweet Soul Recordsからアルバム「The Golden Sessions」をリリースしているWeeland & the Soul Collective



ヨーロピアン・アーバンソウルということで、オシャレかつグルーヴィ。ヨーロピアン・ソウルといえばイタリアのCamera Soulや北欧AORのOle BørudSamuel Ljungblahdもカッコイイですよ。


ヨーロッパ繋がりで、イギリスのブレイクビーツ、ファンク系のFlevansもクールです。



ベーシストらしいのでカッコイイベースラインも印象的なのですが、何かのサンプリングっぽいシンプルなドラムループがカッコイイ。こういうスネアの音が大好きなんです。あるよね、スネアの音だけで好きになる曲。



それから、アシッド・ジャズで忘れてはいけないバンド・Incognito。ていうか、アシッド・ジャズを流行らせたのはIncognitoのリーダー・Blueyですからね。



アシッド・ジャズ系では、他にもThe Brand New HeaviesDown to the BoneJames Taylor QuartetCorduroy、さらにはJamiroquaiなどが定番系。あと、最近知ったのがBrooklyn Funk Essentialsthe Rebirth



ジャズ・ファンク系ならまずはHerbie Hancock! 他にもJohn ScofieldSpeedometerthe New Mastersoundsthe Baker Brothersなど、枚挙にいとまがありません。私が大好きだから!
ちょっと変わり種では、ベースレス・オルガントリオ・Souliveは各メンバーのソロや別バンドも含めてカッコイイ。





ファンク系ではニューオーリンズの暴れ馬・Galactic



ファンク系ならJBことJames BrownBootsy Collinsを始め、最近ではMark RonsonFunkshoneCookin' on 3 Burnersなんかが超ファンキーでお薦めです。


ええと、ホントにたくさんただただ羅列しましたが、何か気になるアーティストがございましたら検索してみてくださいませ。ほとんどが何らかの方法で試聴できるはずです。SpotifyとかApple MusicとかYou TubeとかSoundCloudとかでね。

2017/01/27

地テシ:090 さらにちょっと音楽の話を

松重豊マスターのFMヨコハマ「深夜の音楽食堂」にゲストで呼んで頂いたこの冬ですが、ちょっと音楽について色々と考えた冬でもありますので、松重さんとの会話に出てきた最近お気に入りのアーティストのことを忘れないうちに書いておこうと思います。

すでに二週続けて音楽の話をしちゃったけど! もういいよって思うかもしれないけど! あんまり興味ないんだけどとか思われてるかもしれないけど! こういうのは勢いですからね。ザッとサクッとご紹介しておきます。


まずはつい先日ニューアルバムを発表したばかりのSuchmos。一般のニュース番組に取り上げられたり、軒並みの音楽雑誌の表紙を飾ったりしている、今話題のバンドです。キーワードとしてはやはりジャズ、ソウル、ヒップホップをミクスチャーしたバンド、という取り上げられ方が多いようです。

中でも有名なのは、ホンダのVEZELのCMで使われたこの「STAY TUNE」ではないでしょうか。



でも、個人的にはこちらの「MINT」の方が好きなんですけどね。



グルーヴィーなバックトラックと、スモーキーなヴォーカル。これからも注目のバンドだと思います。


また、私の直前に番組のゲストとして来たCeroさんも格好いいんですよ。



リラックスした雰囲気の中にもちょっとひねくれた感じの漂う、クセになるテイストのバンドです。これもまた新しいJ-POPのカタチなんじゃないかなとか思います。


そして、松重さんもイチオシのポストロックバンド・D.A.N.



揺蕩うような不思議なビートなのに緊張感あるトラック。同じく日本のバンドであるSPECIAL OTHERSとか宇宙コンビニとかに近いストイックな魅力があります。







女性ヴォーカルも忘れてはいけません。番組では「舌足らず系」とか言っていますが、いわゆるウィスパーヴォイスですね。カラスは真っ白のヤギヌマカナさんを形容する時に舌足らず系と表現しましたが、その系統の声が好きなんでしょう。
有名な人で言えばカヒミ・カリィさんとかCHARAさんとか、ああいう囁き声でちょっと舌足らずな感じ、たまらないんですよね。

ウィスパー系といえば、最近のアーティストでは番組でも言っていた相対性理論とかパスピエとか流線型とか。
他にもフレネシとかi-depとかLampとか。
もう羅列しているだけですけども。気になる人は検索してみてください。全部カッコイイから!


あと、相当に昔の曲で、しかもそれほど有名なアーティストではないのですが、miyako kobayashiさんのウィスパーヴォイスは大好きでしたねえ。




ああ、邦楽を紹介するだけでいっぱいになってしまいました。では、洋楽はまたの機会に。ていうか、ただ私の好きな曲を垂れ流しているだけなんですけどもね。

2017/01/26

地テシ:089 続・ちょっと音楽の話を 《1/24OA対応版》

テレビ東京「バイプレイヤーズ」(毎週金曜深夜OA)第二話も面白かったですね。今回は遠藤憲一さんと松重豊さんの二人がフィーチャー。共演NGな二人?ってのもありそうでコワい。でも、ラストトークで光石研さんが言っていた「館山で何かあるんですか!」の時の、キャストスタッフ全員の爆笑が感慨深い。


そんな松重豊さんがマスターを務めるFMヨコハマ「深夜の音楽食堂」。例の漫画原作ドラマ「孤独のグルメ」(これもテレ東だ)のヒットからグッと知名度が上がった松重さんですから、こういう番組名なんだと思います。
思えば我らが座長いのうえひでのりが演出を務めたプロデュース公演「忠臣蔵ブートレッグ」(1995年)に松重さんがご出演なさった頃からの知り合いでして、長いつきあいではあります。とはいえ、舞台共演は「流れ姉妹〜たつことかつこ〜」(2005年、2010年再演)の一回しかありませんが、それ以来ドラマの仕事で一緒になったり出演舞台を見に行ったりするたびに、最近のオススメ音楽を教え合うという仲なのです。

そして1/24は二回目のOAでした。前回が洋楽だったので、今回は邦楽。といってもヒットチャートを賑わすような方向ではなく、ちょっとひねくれた邦楽さんたちでしたが、まあしょうがないよね、私がひねくれてるから。


一曲目は松重さんの選曲でRonny Jordanで「Heaven」(アルバム「At Last」収録)。



先週の最後の曲であるGURUの「No Time to Play」でもギターを弾いていたロニー。どうやら私が松重さんにご紹介したようです。覚えてないけど。
このRonny Jordanはジャズをベースに、フュージョンとかアシッドジャズとかクラブミュージックに広がる幅広い音楽を手がけているんです。端正で粋な音楽というのでしょうか、派手に強く出すのではなく、玄人好みのクールなギタリストです。オクターブ奏法を駆使するあたりがウェス・モンゴメリーを思わせるテクニシャンですよね。


その後からは、今、そしてこれから注目されそうな若いバンドをリクエストさせて頂きました。
二曲目は昨年デビューしたばかりの謎の覆面ユニット・Nulbalich(ナルバリッチ)で「NEW ERA」(アルバム「Guess Who?」収録)。デビューアルバムとは思えない程完成されたアルバムからのシングル曲。ドリーミーにディレイの効いたシンセと伸びやかなヴォーカルから始まるオープニングからエレピへと続く導入部がカッコイイ。ハネたバウンス系のリズムに乗った曲のなかでも楽器の出し引きが巧妙で、4コードと3コードループのシンプルな構成なのに飽きさせない作りになっています。



覆面ユニットなので、個人なのかバンドなのかすら判りませんが、見事な構成と手慣れたアレンジからタワレコなどでも大プッシュされており、早モノが好きな人々から注目されております。今後の作品にも注目です。


三曲目は2010年に札幌で結成されたポップなファンクバンド・カラスは真っ白で「ハイスピード無鉄砲」(ミニアルバム「すぺくたるごっこ」収録)。ハスキーでポップな女性ヴォーカルとファンクでパンクなバックトラックが闘うような不思議な音楽性が魅力的でとても気に入っていたのですが、残念ながらこの3月で活動を休止するようです。
http://acrowiswhite.com/news

「ハイスピード無鉄砲」というタイトルがなんとも語呂が良い。メンバーのテクニカルで確かな演奏技術とふわっとしたヴォーカルとが相まってこれからが楽しみだっただけに解散するのは残念です。



あと、こちらの「fake!fake!」という曲もカッコよくて、アニメのMVが超可愛い!



先週、今週と改めて聴いてみると、静かに始まってから、ドンッとバックトラックが入るタイプの曲が多いコトに気付きました。多分私がそういう曲が好きなんでしょうね。


さて、最後の四曲目は、ここにきて何故だか昔の曲を。高橋幸宏さんで「La Rosa」(アルバム「Saravah!」収録)。



このアルバムが発表された1978年はYellow Magic Orchestraがデビューした年。YMOといえば言わずと知れた日本のテクノポップバンドの元祖でして、そのメンバーである細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏の三人は、日本の音楽業界の中心に居続けるビッグネームです。YMOは日本のみならず世界でも注目されたのですが、そのデビュー直前に、この三人はすでにこの「Saravah!」において共演を果たしていたのです。

ユキヒロさんのフランス趣味が前面に押し出されたこのファーストソロアルバムは、オシャレで流麗でポップな名作です。中でも細野さんのベースプレイが圧巻!

細野さんのベースプレイが大好きなのはことあるごとに書いてきましたが、その中からかつて連載していたメールマガジン「貧弱ユビキタス」で細野さんがリーダーだったバンド「ティン・パン・アレー」について書いた文章を転載してみます。

『メンバーのテクニックも抜群です。キレがあるのにタメのある林立夫のドラムス、クリーンな音のストラトなのに妙に粘りのある鈴木茂のギター、控えめながら全体を包み込む松任谷正隆のエレピ。しかし、やはり特筆すべきは細野晴臣の恐るべきベースでしょう。いや、別に速弾きってワケでもないし派手ってワケでもない。でも、かすかに修飾音符が入る独特のフレージングと、正確無比なタイム感が物凄いんですよ』

荒井由実(ユーミン)さんの名曲「卒業写真」についてはこう書いています。

『例えば名曲「卒業写真」を聴くと、よく知ったメロディーとユーミンの声に心を奪われます。ホントに良い曲だ。卒業式で歌った方も多いかもしれません。でも、改めて聴くとバックトラック(伴奏)が物凄いコトになっていますよ。特にベース。細野さんが弾くベースラインが、ややもすれば歌の邪魔になる程に跳ねまくっています。でも、今までは気にならなかった。と言うことは邪魔にはなっていないんです。邪魔ではないんだけど、一度ベースが気になるともうそこから耳が離せません。もしオリジナル音源をお持ちの方がいらっしゃったら、一度ベースにだけ注意して聴いてみて下さい。ビックリするくらい跳ねていますから!』

細野さんのベースプレイを紹介したくて、でもさすがに「卒業写真」では有名すぎるから、この「La Rosa」を選んだんだと思います。ココでも細野さんの天才的なフレージングが光ります。もちろんユキヒロさんの軽快なドラムとアレンジも手がける教授の粋なキーボードも印象的です。

今回も番組公式ブログにて収録の模様をレポートして頂きました。
http://blog.fmyokohama.jp/yashoku/2017/01/17-ccb6.html
私のつたないおしゃべりをきちんとフォローして下さっています。ありがとうございます。

音楽好き仲間である松重さんと、久しぶりに思う存分音楽談義をさせて頂いて楽しかったんですよ。またこのような機会があればと思います。
お聴き頂きました皆様、ありがとうございました。まだの方は、公式HPから一週間以内ならタイムシフト視聴が可能ですよ。

2017/01/20

地テシ:088 ちょっと音楽の話を 《1/17OA対応版》

新年早々の「トリドクロ」出演情報に続いて、今春の出演情報が解禁になりました。
NAPPOS PRODUCE「スキップ」は北村薫さんの名作小説「スキップ」の舞台版。13年前にキャラメルボックスで上演された作品を、同じく成井豊さん脚本・演出でお届けします。2017年4月26日(水)〜5月5日(金・祝)にサンシャイン劇場にて。今作は東京のみの上演となりますが、GWの旅行気分でお越し頂けましたら幸いです。
詳しくはこちら。
http://napposunited.com/archives/807

さて、突然ですが、テレビ東京って面白いなあと思うんです。一応民放五大キー局の一つであるにもかかわらず、なんとなくひねくれているというか自虐的というか、一種アウトロー的な風格を漂わせているあたりが面白いですよね。
オンエアされる番組も、低予算を逆手にとって捻ったアイデアの作品が多いように思われます。

そんなテレビ東京で1/13から始まったドラマ24「バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜」が面白いんですよ。出演は遠藤憲一・大杉漣・田口トモロヲ・寺島進・松重豊・光石研という、今やドラマ・映画には欠かせない名脇役たち。この一癖も二癖もあるおじさんたちが本人役で出演し、一つ屋根の下で共同生活をするというとんでもない設定。当然の如くただではすまず、第一話から大騒動。

私も田口トモロヲさんと松重豊さんとは共演経験があるので余計に気になるのよ。しかもみんな本人役。これまで出演してきた番組がネタになっていたり、ありそうでないような架空のドラマが出てきたり、明らかに有名番組のパロディだったり。
またテレ東さんがぶちかましたカンジがプンプン匂いますので、気になる方は是非。毎週金曜日の深夜OAですよ。


で、そんな松重豊さんが昨年からFMヨコハマで深夜音楽番組を始めたというのは御本人から伺っていたのですよ。ああ、憧れですよね、深夜FM音楽番組。学生の頃、深夜勉強のBGMはFM音楽番組でした。NHK-FMの「クロスオーバーイレブン」とかエフエム東京の「ジェットストリーム」とか。濃いコーヒーを飲みながら、時々ペンを止めて聴き入っていたもんです。
で、その松重さんの番組・FMヨコハマ「深夜の音楽食堂」にゲストとして呼んで頂きました。その一回目は去る1/17深夜に既にオンエアされてしまったのですが、念願の深夜FMで嬉しかったなあ。しかも私の好きな曲ばかり。そりゃそうだ。だって私のリクエストを掛けて頂いたんだから!

トークの内容は、まあ聞いて頂いた通りなのですが、ご紹介した曲についてちょっと補足しておきたいと思います。FMの音楽番組ともなれば紹介したい曲はいっぱいありまして、もう悩みに悩みまくったのですが、結局は「松重さんがお好きそうな曲」という観点で絞りました。どちらかというとヴォーカルのないフュージョンやクラブミュージック、いわゆる「インスト」モノの方が多い私ですが、今回は全て歌ありの曲ばかりを選んでいます。

まず一曲目は松重さんに教えて頂いてから大ファンになったサンフランシスコのアシッドジャズバンド・FIVE POINT PLAN「LIVE TODAY」(アルバム「Five Point Plan」収録)。
https://itunes.apple.com/jp/artist/five-point-plan/id16239375
どうやら私はこういう「ミドルテンポのシンプルなバックトラックに細かい譜割りのヴォーカルが乗る」曲が好きなようです。ハネるようなウネるようなタメのあるバックトラックに、シンコペーションで前の小節に喰っていくセクシーなヴォーカル。抑制の効いたベースとゴースト多めのスネア、エッジーなギターカッティング、ファンキーなオルガンソロ。
二枚のアルバムしか残していませんが、どの曲もグルーヴィでカッコイイ! ソウルとジャズとファンクとヒップホップが入り交じって、いいカンジに熟成されたようなバンドです。


二曲目はオランダのソウルクイーン・SHIRMA ROUSE「Take me as I am」(アルバム「Chocolate Coated Dreams」収録)。
番組の中で私はつい「シャーマ・ローズ」と言ってしまっていますが、どうやら「シャーマ・ラーズ」が正しいようです。これまたタメのある、ちょっとルーズめのバックトラックに、シャーマ・ラーズの伸びのあるパワフルなヴォーカルが乗るゴキゲンミュージック。ビートはシンプルですが、相当に細かい計算がされた複雑なグルーヴが心地よい。



このアルバムをリリースしているのは「SWEET SOUL RECORDS」という日本のレーベルで、名前の通りスウィートなソウルミュージックが満載です。私はこのレーベルのラインナップがお気に入りでして、ついレーベル買いするほど私好みなんです。まあレーベル買いという用語があるかどうか知りませんが、言ってみればジャケ買いの発展形でして、そのアーティストをよく知らなくてもレーベルを信じて買ってしまうこと。80年代頃はJ-POP系のCBS/SonyやEpic Sony、90年代はアシッドジャズ系のACID JAZZ RECORDSやTalkin' Loud、ブレイクビーツ系のNinja Tuneなどが好きでしたが、最近ではこのSWEET SOUL RECORDSやファンク系のP-VINEレーベルがお気に入り。
SWEET SOUL RECORDSさんの公式HPはこちら。
http://www.sweetsoulrecords.com
知られざる海外アーティストもたくさん紹介していますが、日本の若手ソウルアーティストをたくさん取り上げてくれているのも嬉しい。注目の日本人シンガーがソウルの名曲をカバーしているコンピレーションアルバム「SOUL OVER THE RACE」シリーズは愛聴盤です。




三曲目はGang Starrのラッパー・GURU「No Time to Play」(アルバム「Jazzmatazz,Vol.1」収録)。ヴォーカルはD.C.Lee、ギターはRonny Jordan。リズムパターンのサンプルはThe Love Unlimited Orchestraの「Satin Soul」のイントロ。これもヒップホップとジャズの融合として有名なアルバムでして、ヒップホップならではのシンプルなリズムループの上にグルーヴィなヴォーカルとギターとラップが乗っかっています。
大阪のオシャレ居酒屋で流れていて、あまりの格好良さにお店の方にお願いして曲名を調べ、その夜にはもうiTunes Storeで購入していたというほど好きな曲。今ならばShazamやSoundHoundといったスマホアプリで簡単に曲名を調べられますが、当時はそんな便利なアプリは持っていなかったので直接尋ねるしかなかったのですよ。



ビデオクリップもクールですね。

取り急ぎ、1/17OA分の、私の大好きな曲についてご説明いたしました。ええと、聴き損ねた方、まだ間に合います。
https://www.fmyokohama.co.jp/pc/program/ShinyanoOngakushokudo
PCでこの番組公式サイトに行って「radikoタイムフリーで聴く」ボタンを押して頂ければ、一週間以内なら聴けます。(聴取可能時間制限あり)
番組の公式ブログでも収録風景を取り上げて頂きました。
http://blog.fmyokohama.jp/yashoku/2017/01/16-f0f5.html

次回は1/24(火)深夜24:30からですので、おじさん俳優二人の音楽話に興味がある方はぜひ。
今回はちょっと音楽系の専門用語が多くてすみません。でも、気になる人はそれぞれ検索してみるがいいさ。ああそうさ。

2017/01/15

地テシ:087 「人喰いの大鷲トリコ」と「The Witness」そのよん

今年の頭に公表されましたので「トリドクロ」に出演することがやっと言えるようになりました。詳細はこちら。
http://www.tbs.co.jp/stagearound/toridokuro/
それと、新年一発目のお仕事は、松重豊さんがマスターを務めるFMヨコハマ「深夜の音楽食堂」のゲストです。1/17(火)と1/24(火)の24:30。全くタイプが違うのに、意外と好きな音楽が似ている二人のおじさんが音楽について話します。
http://www.village-artist.jp/UserNews/Detail/234
http://www.fmyokohama.co.jp/pc/program/ShinyanoOngakushokudo
FMラジオがなくても、スマホなら「radiko」というアプリで、PCならradiko.jp公式サイトで聞けます。さらに、一週間以内ならばradikoタイムフリーでも聞けますよ。


さて、前回に引き続き「The Witness」というパズルゲームにハマっているという話。美しい景色の中に散りばめられたパズルをひたすら解いていくオープンワールドパズルゲーム。シンプルな一筆書きパズルなのに、飽きずに楽しめて難しい。それは何故なのかって話ね。そのワケを書きましょう。

それは「どんどんルールが変わっていく」から。最初は「スタートからゴールまで繋ぐ」だけだったのが、なんか急に盤面に謎の記号が書き込まれた迷路に出逢うのです。こうなると何らかのルールに則って一筆書きを解かなければならない。ところが、そのルールについては一切書かれていないのです!
島を歩き回っていると、同じようなパネルが六つくらい並んでいる所があります。それが新ルールのチュートリアルらしい。といっても説明はないんです。簡単なパズルを新ルールの仮説を立てながら解いていきます。解けたならばその仮説は正しい。解けなければ仮説を立て直す。そうやって六つくらい解けばルールが理解できますので、その先の扉にあるパネルの迷路を解いて扉を開けたりしていきます。
ところが、しばらく進むと今度はまた別の記号が書き込まれた迷路が出てきます。そうすると解けない。だってルールが変わったから。
じゃ、この扉は放っておいて別の場所に行きましょう。そこがオープンワールドの良いところ。島は広い。まだまだたくさんパズルはあります。解けるヤツから解いていきましょう。その内に新しいルールもわかることでしょう。
噂ではパズルは650個以上もあるらしいです。中には体を使って解くパズルや島の大地自体を使うようなパズルも出てきますが、結局ぜーんぶ一筆書き! これほどまでに一筆書きにこだわった、しかしバラエティに富んだパズルは見たことがありません。

オープンワールドのお陰で、全てのパズルを解かなくても最終ステージには辿り着けます。なのでそろそろ終盤っぽいのですが、いやあ益々難しい! どんどん新ルールを理解して、どんどん行けるところは広がるのに、謎は深まるばかりです。え、ココもパズル? コレもパズル? ココとココが繋がってるの? この意味ありげなオブジェ何?
パズルの苦しみと楽しみ、ギミックの驚き、新鮮な閃き。空気感は往年の名作アドベンチャー「MYST」や「Portal」を思わせ、パズルを解いて進んでいくのはiOS・androidの名作パズル「Tengami」や「Monument Valley」を思わせます。
いずれも静かで独特の雰囲気を持つ名作ばかり。まあ、単に私がこういうタイプの作品が好きなだけでもありますが、こういうタイプなら何でも面白いかと言えばそうでもなく、中でも「The Witness」は相当に面白いと思います。
ただし、解けなくてかなりイライラしますけどね。悩みながら自力で解くからこそ面白い。その分だけ先に進めた時にはカタルシスを感じるのですが、相当にパズル大好きな人にしかお勧めできない作品です。

「The Witness」はPS4でダウンロード専売のインディーズゲーム(他にPC版と海外XBOX One版もあり)で、デザインしたは時間巻き戻し可能な名作アクション「Braid」を作ったジョナサン・ブロウ。インディーズゲームではメーカーの束縛がない代わりに予算が少ない場合が多いのですが、そのお陰できらりと光るアイデアの作品がたくさんあります。これもその成果の一つ。
ガンガン宣伝されるような大作ばかりでなく、こういう隠れたインディーズ名作がどんどん注目されると良いなあとか思います。では、また。




追加の後日談……

ようやくにして、ついさっきエンディングまで辿り着きました! あー、面白かった! そして辛かった! なんでお金出して買って、時間もたんまり掛けてまでイライラしているのか判りませんが、まあ要するに楽しいからなんですけどね。楽しく辛く、そして辛く楽しい。これぞゲーム。

なお、全てのパズルを解かなくても最終ステージまで行けるのですが、全てのパズルに挑戦したい方は、なんとなくラストっぽいなっと思ったらセーブしておく(ゲームを終了すればオートセーブされます)コトをオススメします。おおむねスタンバイモードで中断しながらプレイしてきた私は、今、エンディングを終えて呆然としております。さすがにもう一度頭からプレイし直す気力は無いぜ! するけど! するんかい!

2017/01/13

地テシ:086 「人喰いの大鷲トリコ」と「The Witness」そのさん

お正月三が日のどこかで都心のビジネス街を散策するのがここ数年の定番なのですが、それは普段は人通りの多い繁華街が閑散としているのを見るため。結構楽しいんですよ。
で、今年は目先を変えて虎ノ門から日比谷、丸ノ内と抜けてみたのですが、ここらはむっちゃ人が多い! 霞ヶ関あたりは街宣車と警官で騒がしいし、丸ノ内・東京は一般参賀の人と駅伝応援の人とでごった返すし。結局、いつもの大手町、神田、御茶ノ水あたりで人が少なくなってホッとするのね。


こちらは神田司町あたりですが、ほら、閑散としてるでしょ。いつもなら人と車で一杯の場所ですよ。


さて、待ちに待った「人喰いの大鷲トリコ」を頭を悩ませながらやっとクリアした私。「これ、どーやって解くんだ?」とホントに頭を悩ませたので、ダウンロードしたまま放っておいた「The Witness」というゲームを軽い息抜き気分で始めてしまった私。そしたら見事にハマってしまってずっとプレイしている私。そのままいつの間にか日付が変わって年を越してしまっていた私。そしてまた今年も頭を悩ませている私。そう、それが私だ。

「The Witness」はパズルゲーム。でもただのパズルではありません。一人称視点で探索しながら進むアドベンチャーパズル。いわば「オープンワールドパズル」なのです。ん? それはいったいなんだ?
オープンワールドというのは、ここ数年のゲーム業界で流行っている「ローディング無しで自由に移動できる広大なフィールド」のコトです。最近では「GTA5」とか「ウィッチャー3」とか「Fallout 4」とか、要するにシナリオの自由度が高く、広大なフィールドを歩き回りながら好きな順番で進んでいけるようなタイプのゲームです。先日発売された「FFXV」でもオープンワールドシステムが採り入れられて話題になりました。
「The Witness」の舞台はある無人島。決して広大ではありませんが、かなり自由に歩き回れます。この《フィールドを自由に歩き回れる》というのがポイント。

普通のパズルゲームの場合、トップ画面にズラッとパズルが並んで、一問が解けたら次のパズルがオープンして、みたいに進んでいきますよね。純粋にパズルをプレイしたいならそれが正解です。
しかし「The Witness」ではパズル問題が島のあちこちに散りばめられているのです。島には小屋や地下室や庭園などがあり、森あり池あり山があり。シンプルながらも美しい景色の中を歩き回りながらパズルを探してどんどん解いていくのです。とりあえずこちらのトレーラー動画をご覧下さい。



ちょっと怖そうな雰囲気がありますが、ホラー系ではありません。廃墟風の無人島だからちょっと不気味な感じはしますけど、コワくはありません。
で、この動画を見て頂ければ判るのですが、出てくるパズルというのが、全部「一筆書き」なんです。迷路風の一筆書きだけなんです!
アドベンチャーパズルの場合、解くべき謎はバラエティに富んでいるのが普通です。スイッチを押したり、石像を動かしたり、光を当てたり、謎のメッセージを解読したり。そうやって飽きさせないようにしているというか「今度はこう来たか!」という閃きを楽しむのです。
しかし! 今作では文字情報は一切無く、パズルはずーっと一筆書きなんですよ。「スタートからゴールまで一本線で交わらずに繋ぐ」だけの迷路。しかも大して広くない盤面。せいぜい6×6マスくらいの正方形。なのに飽きないんだよな! そして難しいんだよな! なんでだ?

その答えは次回!

2017/01/04

地テシ:085 「人喰いの大鷲トリコ」と「The Witness」そのに

やっぱり年越しちゃった! 2017年です! 今年もよろしく! 例年の如くゲームをプレイしながら気がついたら年を越していましたけど!

てなワケで年またぎで2016年の仕事まとめ! 舞台は新感線の「乱鶯」と「Vamp Bamboo Burn〜ヴァン!バン!バーン!〜」の二本だけ。それと「ドナインシタイン博士の禁断カフェ」に二回参加。
連載では誌名ごとリニューアルされた演劇専門誌「えんぶ」(旧演劇ぶっく)の人物ウォッチング。昨年は平野良、大東駿介、稲森いずみ、大谷亮介、上田大樹、小池栄子各氏(敬称略)を書かせて頂きました。同じくえんぶ系のネットコラム「未確認ヒコー舞台:UFB」で毎月第一木曜日に演劇用語の解説をさせて頂いています。
あとは「乱鶯」の稽古場レポートを書いたり、エイプリルフールには新感線公式ツイッターさんを乗っ取ったり、誤植込みでプロジェクトKUTO-10「あたらしいなみ」のチラシを作ったり。その節はすみませんでした。
以上まとめ終わり。こんなカンジ?


さあさあ、まとまったのでいよいよ「人喰いの大鷲トリコ」について語りましょう。この冬のプレイステーションTVCMでは年末の注目作品が山田孝之さんのパワフルな早口で述べられていましたが、その中で「FFXV」や「龍が如く6」と並んで名前が挙がったのがこの「トリコ」です。YouTubeの「PlayStation最新CM」チャンネルでは、このCMに加えて「トリコ」の発売カウントダウンCM五連作も見るコトができますよ。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLOkZyHIVzUcO1sC99Xa0U3W17NAPLPAWJ
この「あと5日。ある会社員の場合篇」いいなあ。

まあ、それほどまでに待たれていてそれほどまでに注目されているというコトです。もちろん私も待っておりました。注目しておりました。ICOとワンダ好きならみんなそうだったと思います。この二作については前回をご参考に。

今作も前二作と同じように謎解き系アクションアドベンチャーです。主人公の少年が謎の遺跡に閉じ込められた所から物語は始まります。その横には「人喰い」と恐れられる、大きな犬のような鳥のようなトリコという獣が鎖に繋がれて横たわっています。さあ、どうする?
遺跡を脱出するためには少年とトリコが協力しなくてはなりません。高い壁を乗り越えたり遠い足場に行くためにはトリコの跳躍力が必要ですし、スイッチがある小さな部屋や狭い隙間を通るには小柄な少年でなければ辿り着けません。
当然ながら会話も通じませんので、コミュニケーションを取るのだって一苦労です。トリコがお腹が空いているらしい時にエサ(何やら光る物質が入ったタル)をあげても、始めはなかなか食べてくれません。しかし、何度もエサをあげている内に警戒心も解け、徐々に二体は仲良くなっていきます。始めはちょっとコワかったトリコが実に可愛く見えてきます。この二体の関係性の変化がイイんですよ!

先に進むためにはトリコに乗る(あるいはしがみつく)コトが必要。羽毛に包まれてモフモフなトリコに飛びついてよじ登るところはワンダっぽいですが、今作ではR1ボタンを押しっぱなしにする必要はありません。トリコに乗り、トリコと共に進んでいくコトで広がる(あるいは広がらない)謎の遺跡の閉塞感。数々の試練が二体を阻みます。

前二作が混ざったような作風になっておりまして、閉じ込められた遺跡から脱出しようとするのはICO風、相棒である大きな獣トリコによじ登るのはワンダ風。同じく重要だったR1ボタンは、今作では「トリコを呼ぶ」またはトリコに乗った状態で「トリコに指示を出す」ためのボタンになっており、これまた印象的です。

PS4になって画面がさらに美しくなりました。トリコの大きさと可愛さ、小さな少年との対比、遺跡の広さ高さ荒涼さ。巧妙なカメラワークも手伝って、空気感すら伝わる美しさです。まあ、このカメラワークは操作上ではちょっとうざったくはあるんですけど。「トリコ邪魔!」とか時々思いますけど。時々だけね。

しかし、例によってヒントが少ない。前二作と違って、今作では時々文字によるヒントがあり、成長後の少年らしき人の声で「その時、私は〜したのだった」みたいなコトを言ってくれるのですが、それでもまあ判らない。とりあえず、青い石の床や出っ張りは重要。あと、トリコの行動や向く方向も重要。今作もまた絶妙な難易度です。攻略情報をネットで探したくなるのをグッとこらえてほぼ自力で解きました。ほぼ? ええ、ネットサーフィン中に一部、ちらっとヒントが見えちゃったのよ。でもまあほぼ自力。それでもまだいくつかエサのタルを取り損ねているようですが、進行には支障はありません。

私はこのゲームを「声の出るゲーム」と呼びたい。謎が判らなければ「えー、どうすんの?」と呟き、謎が解ければ「よしっ!」とガッツポーズをし、少年が落ちれば「ああっ!」と声が漏れ、トリコが救ってくれれば「おおっ!」とため息が出る。これは、<見る>だけである映画と違って、<操作する>という行為が介在するゲームならではの快感のような気がするんですよ。プレイしながら何度も声が出て、何度もドキドキして、それがまた楽しい。もどかしくも楽しく操作しながら、小さく声を上げながら、そして時々イライラしながら、最後の方では終わるのが勿体なくなってきちゃうんだよなあ。



このゲームについてもう少し詳しく知りたい方は、AUTOMATONさんのこちら↓の素敵な記事をどうぞ。ICO、ワンダ好きの方のための、詩的で力強いレビューです。ネタバレはありません。
http://jp.automaton.am/articles/impressionjp/20161216-36257/

さて、前二作にはクリア特典がありました。ICOの二周目のスイカエンディングとかライトセーバーとか、ワンダのハードモードとかタイムアタックとか。今作でもちょっとしたクリアのご褒美がありまして、それで二周目に挑戦したくなるんですよ。で、二周目を始めちゃったんですけど、今はあるゲームのせいで一旦保留。トリコを保留してまで止まんなくなっちゃって、年越しまでもそのゲーム。
そのゲームが「The Witness」なのですが、コレについては次回。ってまた引っ張ります。