2011/08/23

テシタル地上派 008 Googleの買収の巻

長いようで短かった「髑髏城の七人」大阪公演。色々ありましたが、8/24には終了します。このまま無事に終了できれば良いのですが。さらにその先にはもっと長い東京公演も控えておりますから油断はできません。
毎公演、千秋楽公演が終わった後、楽屋でみんなで口々に「お疲れ様!」とか「長い間お世話になりました!」とか言い合うのですが、インディ高橋くんとだけは「無事に終わって良かったね」と言い合う習わしになっております。役者として、そして小道具チーフとして新感線歴の長いインディくんは、それはそれは辛い期間を長く過ごしてきているので、「無事に終わる」事の難しさをよく知っているのです。なので、千秋楽にはお互いにそれを祝っているのですが、今回は既にそうは言い合えないのが残念です。でも言い合うけど。


さて、前回はApple社の株価時価総額が世界一になった話でしたね。そのAppleはなにやら巨大な新本社ビル建設計画があるそうですよ。
http://www.gizmodo.jp/2011/08/apple_28.html
まるで宇宙船のような、空飛ぶ円盤のような素敵な本社です。かなり大きいようです。
http://www.gizmodo.jp/2011/08/post_9231.html
なにしろ円盤の直径は約500mもあるそうですからね。完成予定は2015年だそうです。実に景気のいい話なので、Appleさんにはこのまま突っ走って欲しいと思いますよ。

成長著しいIT企業と言えばGoogle社もありますね。検索サイトから始まって次から次へと情報関連会社を傘下に収め、今ではデジタル部門ならば手を出していない分野は無いんじゃないかとすら思えるほどの躍進振りです。え? 検索サイト以外にGoogleって何をしているの? とかお思いのあなた。あなたの生活にもきっとGoogle社が関係しているハズですよ。
まず、最近話題のandroidケータイ。あのOSを作っているのもGoogle。そして動画投稿サイトのYouTubeも傘下。フリーメールとして有名なGmailも、地図のGoogle マップも、スケジューラーのGoogle カレンダーも、ブラウザのGoogle Chromeも、写真管理ソフトPicasaもぜーんぶGoogle傘下。何しろ、このBlogがあるBloggerもGoogle傘下なんですから、少なくとも今、あなたはGoogleのサービスを体感しているワケですよ。しかも、基本的に全部無料! これら全てのサービスを無料で利用できるんですから大したもんです。

まあなぜこれほどまでに多方面の展開ができるのかというと、将来有望な企業が出てくると、大きくなる前にサクッと買収してしまうから。そして傘下に取り込んでしまうから。このような展開は最近のベンチャーIT企業では当たり前のことで、自社の不得意な分野を、得意な企業を買収するコトで補ってしまうのです。そして自社のサービスとして一元管理してしまえばユーザーにも便利なサービスとなるんですね。
とはいえ、買収したはいいものの、意外と伸びなくて消えていった新技術なんてのも多いワケで、才能の青田買いといった空気もなきにしもあらずですが、そういった失敗も含めて、現在のGoogleの躍進があるのは事実です。

で、最近、そのGoogleが大規模な買収をしました。「モトローラ・モビリティ社」を約一兆円で買収したんです。
http://japanese.engadget.com/2011/08/15/google-motorola/
モトローラ・モビリティの前身はもちろんあのモトローラ社。携帯電話メーカーとして有名なハードウェアメーカーを買収したってコトは、当然今後、Google自社製のandroidスマートフォンを投入してくるでしょう。以前、「Nexus One」という自社androidスマフォを出したのですが、あまり売れなかったのね。なので、その方面、ハードウェア方面を強化するための買収ってワケですよ。

今でこそandroidスマフォと言えば世界で50%以上のシェアを持っていると言われていますが、それはあくまでもソフトウェア、OS提供としてのシェアです。先駆者であるAppleのiPhoneはハード(iPhone本体)もソフト(iOS)も自社開発なんです。でもGoogleはソフト(OS)だけ。その弱みを解消するための買収です。
で、本家で自社開発のハードを出すとなれば、今までOSを貰ってハードを作っていた他社が割を食うコトになりそうな気がするでしょ。今まで雇われ有名シェフのおかげで繁盛していたイタリアン店なのに、その雇われシェフが独立して自分のお店を持っちゃったら、そっちの方が有名になって元のお店は人気がなくなっちゃいそうでしょ。
例えが間違っているような気もするけど、まあとにかく、それに反発して今現在android OSを採用している他社(SAMSUNGとかHTCとか)が撤退する可能性もあるってコトさ。さあ、面白くなってきました。

ああ、ややこしい。すみませんね。デジタルネタに興味が無い方には何が何やらワケがわからない話かもしれません。
まあとにかく、今でさえ大混乱のスマフォ業界が更にややこしくなって、どこが勝つのか更に混沌としてきたんだとだけご理解頂ければ幸いです。

そんな中、softbankがandroidベースの「Yahoo! Phone」なんてモノを9月に投入してくるんですから、さらにややこしくなること必至です。
http://japanese.engadget.com/2011/08/18/yahoo-phone/
最近スマフォに興味を持った人は「もう何を買ったらいいのか全然判らない!」という状況になっていると思います。なるでしょう。そりゃそうだ。そうだとは思いますが、いいんですよ、なんか気になったモノを買ったら。もしくは買わなかったら。所詮はケータイなんですから。

なんか最近デジタルネタばかりで申し訳ありません。でも、ちょっと続けざまにデジタル業界に動きがあったモノですから。できれば次回はもう少しアナログな話ができれば良いなあなんては思っていますが。
ていうか、面白いんですかね、こんなブログ。

2011/08/20

告知11/08/20

今年の春から月一で続いているダウンロードコンテンツ「劇団☆新感線 粟根まことの感隙トーク!」の第五回が配信されました。

阿佐ヶ谷スパイダースの中山祐一朗さんをゲストに迎えて、劇団の成り立ちやらドイツ時代やら眼鏡トークやらを繰り広げております。
なんだろう、仲の良い演劇人と話をするのって面白いですね。聞いている方にとって中身も面白ければ更によろしいのですが。
とりあえず、話している我々は実に楽しい時間を過ごしました。よろしければダウンロードしてみて下さい。500円です。
今のところ、毎月第三金曜日に更新されておりまして、次回は9/16の予定。当然次回も中山さんをゲストに、ゆるトークを繰り広げているハズです。

「髑髏城の七人」も、その後は無事に公演続行中です。なんか毎日少しずつ面白くなってきていると思います。
あの、お金を取って上演させて頂いている以上、毎日同じクオリティで上演するのは当然なのですが、日によって調子が良かったり悪かったりもします。
で、やっている方としては「昨日と同じモノを作ろう」とは思わずに「昨日よりも少しでも良いモノを作ろう」と思ってしまうんですね。それは決して昨日のお客様をないがしろにしている訳ではなくて、放っておくと緩くなってしまう「舞台というナマモノ」の鮮度を少しでも上げようとする努力なんです。
「前回より良くしようと努力して、やっと同じクオリティになる」というのがナマモノの怖さなんです。そして、みんながそう努力すると、結果として昨日よりも良くなってしまったりもするのもナマモノの面白さでもあります。本当に、放っておくと緩くなってしまうんですよ。

少しでも良いモノを、安全に、明確に、提示する。それがナマモノを扱っている我々ができる精一杯の努力だと思っています。
言い訳かもしれませんが、それが31年続く集団の方法論なのですから、仕方が無いと言えば仕方が無いのかもしれません。
明日も、より洗練された、より勢いのある、より面白い舞台をお届けできるように頑張りたいと思います。では、お休みなさい。

2011/08/17

テシタル地上派 007 世界一企業アップルの巻

「髑髏城の七人」大阪公演も半ばが過ぎましたが、ここにきて皆様に残念なお知らせをせねばなりません。「那伽の水神坊」役で出演していた吉田メタルくんが右足骨折のため降板することになりました。詳しくはこちらをご覧下さい。
http://dokuro2011.exblog.jp/16120255/

本番中の不慮の事故とは言え、メタルくんの出演を楽しみにして頂いていた皆様には誠に残念な結果となってしまいました。しかし、彼の今後の活動を考えると、無理して出演するよりも治療に専念した方が良いとの判断によりこのような処置を取ることになりましたことをお詫びいたします。
なお、本編は水神坊の出演部分やセリフなどを他のキャストに振り替えることにより、公演を続行しております。

二週続けてお詫びコメントを掲載することになってしまい、実に残念ではありますが、各員一層の緊張感を持って今後の本番を遂行することにいたします。


昨年の「鋼鉄番長」から続くように事故や怪我による降板、交代騒ぎが起きておりますことは、関係者の一人として忸怩たる思いです。しかし、どれだけ気をつけていても事故が起こる時は起こるもので、それぞれが十全の準備をしていたことは近くに居る我々には判っているのですが、それでも起こってしまうのです。正直、明日は我が身と心配もしております。
我々としてはできる限り事故の確率を減らすように、より努力するしかありません。「髑髏城の七人」を、そして今後の公演を無事に進行できるよう、気をつけていくしかないと思っております。



ええと、どうにも景気の悪い話ばかりが続いてしまいますね。世界的不況、続く円高など、世間的にもどうにも景気がよくありません。なので、ここらでちょっと景気のいい話をしてみましょうか。まさに景気のいい話です。米アップル社の株価時価総額が世界一となりました! 確かに景気のいい話です。8/10のニューヨーク株式市場で時価総額(現在発行されている株式×株価)が約3372億ドルとなりアメリカ一位に、ひいては世界第一位となったんですって。世界的な不況により各社の株価が下がる中、最近成長著しいアップル社の株価が相対的に上がった結果です。
うはあ、アップルが世界一価値のある会社になりましたか。石油系の企業を抑えての一位ですから、これは本当に価値のある勝利です。かつて主力であったMacなどのコンピュータ製品よりも、iPodやiPhone、iPadなどの情報端末の成長と、iTunesなどのコンテンツ販売網が評価されているのでしょう。いやあ、長年Macを使ってきた身としては隔世の感があります。

かつて、オフィス用ではなくパーソナル用としてのコンピュータを売り出した小さなベンチャー企業であったApple Computerが、IBMやMicrosoftなどの大企業と渡り合いながら成長し、音楽・印刷・建築部門には強いがオフィス用として使うには不安定、などと揶揄されながらもシェアを拡大し、手を広げすぎて縮小し、一時はMicrosoftにひねり潰されそうになっていた辺りを見てきた私としては、まさに驚きの展開です。
本当に、一時は倒産、あるいは吸収合併までも危惧されていた頃があったんですから! 今の勢いしか知らない方々には信じられないかもしれませんが、本当にそうなりかけていたんですよ、appleは。

舞台ソデで、私と同じくずっとMacを使い続けている演出部スタッフとちょっと話をしました。彼の「全てはボンダイブルーのiMacから始まったんだよな」という言葉に、ある種の感慨を禁じ得ませんでした。そう、かつての創業者であり、一時は会社を追放されていたスティーブ・ジョブズが復帰してから現在のアップル躍進が始まったというのは本当です。現在のOSXの元となるNeXTstepというOSをひっさげて復帰したジョブズは、間もなく会社の経営権を掌握し、次々と会社更生策を打ち出したのですが、その第一弾があの「iMac」だったのです。これが新生アップルを印象づけ、その後の躍進を象徴しているのは事実です。
しかし、ジョブズの構想がかなり緻密な長期対策であったことはその後のMac、iPod、iPhone、iPadを見ると間違いありません。その革新性と先進性、そして常にインパクトを与え続けるというコンセプトが現在のアップルをあらしめるのだと思います。長年アップル製品を愛用してきた私がそう思うのですからしょうがない。しょうがないんですよ。
今後、ジョブズの体調不良による影響が出るかもしれません。製品やコンセプトにブレが出てくるかもしれません。でも、とりあえずは今後も製品を買い続けてしまうでしょう、私は。しょうがないですね、好きなんだから。
なんか、今週の結論は「しょうがない」な様な気がします。それもまたしょうがないんでしょう。じゃ、しょうがないってことで。

2011/08/10

テシタル地上派 006 食習慣の巻

「髑髏城の七人」大阪公演が始まりました。しかし、初日に開場してから配券ミスが発覚し、その対処のために開演が45分も遅れてしまいました。当日ご来場頂いたお客様には、座席交換となってしまった当該のお客様はもちろん、他のお客様全体にもご迷惑をお掛けしてしまいましたことをお詫びいたします。
また、大阪公演に限りましては、新感線ファンクラブにてチケットをご購入頂きました方の中に、座席変更となる方がいらっしゃるとのことです。詳しくはこちらを。
当該のお客様にはあらかじめ事務局よりのメールにてのご案内が届いているかと思われます。せっかく楽しみにして頂いている公演がこのようなことになりまして誠に申し訳ありません。今後はこのようなことが起こりませんよう、関係者一同なお一層のチェック体制を徹底して参ります。
ご迷惑をお掛けいたしました皆様には改めてお詫び申し上げます。



「ワカドクロ」の本編自体は大きな事故もなく、初日から3ステージを終え、さらなる高みを求めて全員一致協力の下、集中力を高めております。全面傾斜舞台でのアクションと殺陣の連続であり、一瞬の気の緩みが事故へと繋がるため、和やかな中にも緊張感を持続させながら頑張っております。これからご覧頂く皆様、どうぞご期待下さいませ。





さて、今日は初めての休演日。我々俳優部は稽古中や大阪移動直前などに少々休日なども頂いておりましたが、スタッフはほぼ全員が一ヶ月以上ノンストップで動いて頂いておりました。スタッフにとっては本当に久しぶりの休日。ゆっくり休んで頂いていればいいのですが。
俳優部も今日はそれぞれが思い思いの休日を満喫しているはずです。マッサージに行く者、病院に行く者、観光を楽しむ者、パチンコする者、ただただ寝る者。色々でしょう。中には東京で仕事がある人もいるかもしれません。リフレッシュできていればいいのですが。

私も病院やマッサージに行ったり買い物したり原稿書いたりして過ごしました。休日というだけで気分が落ち着くのはいいですね。で、買い物途中で見つけた「中央軒」で夕食を取ったのですが、中央軒ってご存じですかね? 関西人でないとご存じないか。
中央軒というのは大阪府内でチェーン店展開する中華料理屋で、名物は長崎ちゃんぽんと皿うどん。本場長崎の味を大阪で広めるという気合いで20店舗を展開しています。私は長崎に行ったことがないので本場の味は知りませんが、私にとって長崎の味といえば中央軒なんですよ。
特に好きなのが「皿うどん」。私の地元では「あんかけ堅焼きそば」と言っていたモノなのですが、油で揚げた麺に野菜や魚介の入った餡をかけたモノです。パリパリした麺ととろみのある餡と豊富な具材が奏でるハーモニー! 時々無性に食べたくなるのですが、ところで皆さんは皿うどんに何をかけますか?
そのまま食べる人、和辛子をつける人、酢をかける人、ウスターソースをかける人。それぞれでしょう。しかし、どうやら長崎では一般的にウスターソースをかけるのが普通のようで、酢をかけると邪道みたいな言い方をされるみたいなんです。まあいいじゃん。人それぞれなんだし。ちなみに、私は1/3をそのまま食べて、1/3を酢をかけて、最後の1/3をソースをかけて頂きます。ソースると(ここ駄洒落)色んな味が楽しめていいんですよ。でもまあ、人それぞれでいいと思います。

以前、知り合いと何か食べようという話になり、通りすがりのラーメン屋に入ったのですが、二人ともその店は初めてだったんですよ。普通の醤油ラーメンだったのですが、出てくるなりその友人はコショウをかけたのね。私は驚いて「え! いきなりコショウかけるの?」と聞いてしまったんですよ。そしたら友人は普通に「うん、その方が美味しいから」と答えたんですね。なんか衝撃的でした。初めての店で、味見もする前に、コショウをかける。元々、私がラーメンにはあまりコショウをかけない派だったから余計に驚いたのかもしれません。
しかし、よく考えたら、私も同じようなもんです。初めての店でも、刺身が出れば醤油につけるし、蕎麦が出ればワサビを載せます。塩じゃダメか、大根おろしじゃダメか? 要するに、生まれてから今までの食習慣なんですよ。地元ではどうか、両親がどうしてきたか、物心ついてからどうしてきたか。刺身を塩で食べたり、トマトに砂糖をかけたり、赤飯に甘納豆が入っていたり、もう地方それぞれ、家庭それぞれの食習慣があるんだと思います。何が正解なんてないんだろうなあ。
かといって、今まで自分が食べていた作法に固執する必要も無いのかもしれません。人がやっている食べ方を真似してみたら新しい味覚が広がるかもしれませんし、予想外の展開をするかもしれません。色んな食べ方をしてみたいですよね。

とはいえ、個人的にはどうにもなじめない食べ方とかあるんですよね。色々試した結果、自分には合わない食べ方ってのもそろそろ確立しているんですよ、40代後半としては。とりあえず、ざる蕎麦ではつけ汁にワサビを溶かさずに載せて食べるし、刺身でも醤油にワサビは溶かさずに載せて食べるし、ラーメンにコショウはかけないし、豚骨ラーメンに紅ショウガや辛子高菜は入れないし、牛丼にも紅ショウガは入れないし、カレーにソースはかけません。その方がしっくり来るから。
でも、時々はあえて上記のコトをしてみたりもします。変化を求めてね。それがハマル時もあるのですが、結局元に戻ってしまうのだなあ。そして、上記のコトの方が好きだという人も否定はしません。要するに、好きなように食べれば良いのよ。美味しければ良いのよ。好きにやろうよ。好きにやらせてよ。うん、好きにやればいいんじゃない? てコトで。

2011/08/02

テシタル地上派 005 2011夏の任天堂の巻

「髑髏城の七人」の開演も間もなくですね。なかなかに面白く仕上がっているのではないかと思います。今までと同じようで違うドクロ。どうなっているかは舞台でお確かめ下さい。正直、私も幕が開くまで読めません。それくらい異質な感じですよ。

さて、つい先日、家庭用ゲーム界の雄、任天堂が色々と発表いたしましたね、いま、発表と打とうと思ったら間違えて「発砲」とタイピングしてしまい、慌てて打ち直しましたが、まさに発砲とも言える衝撃的な発表です。
7/28、任天堂が第一四半期決算(4〜6月)、いわゆるQ1決算を発表したのですが、なんと営業利益で377億円の赤字決算となりました。桁がデカ過ぎてピンと来ませんが、とにかく大赤字ってコトです。それにより株価も急落、Q2には株主に対して同社始まって以来の無配という結果を招き、役員報酬の減額も決定したようです。1400万株を持つ山内前社長は株価急落により240億円ほど損をしたんですって。
これまた額がデカ過ぎてピンと来ませんね。

直接の原因は3DSの不振とWii Uの研究開発費のようです。Wii Uの方は先行投資ですから納得できるとして、問題は3DSの不振の方ですね。
裸眼立体視という驚異のスペックで登場した3DSですが、値段設定がいわゆる任天堂上限の25,000円であったために売れ行きが芳しくなかったようです。いやいや、裸眼立体視だよ! しかもDS系列で今までのソフト資産も活用できるし、色々と専用のフィーチャーが用意されていましたよ? 私なんかにしてみればコレで25kなら安いんじゃないかと思ってしまうのですが、世間的にはそうは思われなかったようですね。ま、DSがあるからいいや的な判断で買い控えられてしまったのかもしれません。でも裸眼立体視ですよ! 画期的な変革ですよ! とは思われにくいだろうなあ。CMとかでもその魅力は伝えにくいしなあ。しょうがないか。

そんなワケで、同日、3DSが一万円値下げされるコトも発表されました。25kからいきなり15k。40%の値引きです。発売半年でこのような大幅値下げなんて任天堂では珍しい。それほどまでに切羽詰まっているというコトですか。まあ、そりゃそうだろうなあ。株価も暴落したしなあ。判りやすいテコ入れですが、触ってみて初めて判る3DSの魅力を伝えるためには仕方がない措置かもしれません。
年末にはマリオシリーズなどの同社人気のシリーズ新作が控えているので、それまでに稼働本体を増やし、勢いを付ける作戦だと思われます。ソフトが売れてこそのハードですからね。そもそもハードを安くしてソフトで儲けるという作戦は任天堂が得意とした戦法なんです。

家庭用ゲーム機の価格というのは、実は驚くほどお買い得なんですよ。時代の最先端の技術がこれでもかというホドに詰め込まれ、同時代のPCなんか目じゃないほどの高性能なんです。謂わば小さなスーパーコンピュータ。某国の軍がミサイルの部品にするために某ハードを大量に買い付けたとか買い付けなかったとかいう噂すらあったりなかったりするホドです。やけにボカした書き方だな。
まあ、それくらいに莫大な技術研究費と設備投資を掛けて開発されているんです。それを販売台数で割り、さらに部品原価を加えなければならないので実は高額なんです。生産台数が増えれば一個あたりの単価は下がりますし、時間が経てば技術革新により部品の値段も下がります。だから発売から一年半くらいすると値下げられたりはします。しかし! 発売直後の頃はそうではありませんから当然ハイコストなワケですよ。ですので、原価ギリギリ、あるいは売るごとに赤字が出るくらいの値段設定なんです。売れても儲けがでないか、もしくは損をするのです。

では、どうやって儲けるのか。それはソフトメーカーが、ソフトが一本売れるごとに何%かをハードメーカーに支払う「ロイヤリティ」という制度があり、それで儲けを出すのです(それだけではありませんが)。なので、ソフトが売れればハードメーカーも儲かる仕組み。当然、ソフトが売れなければハードメーカーは儲からない。しかし、ソフトが売れるためにはハードの台数が多く売れていなければならない。だから値段を下げる。そんなワケで、我々は高性能マシンを(性能の割には)安価に手に入れられるってワケさ。
確かに、3DS発売の頃には25kは高すぎるという評判でした。しかし、それほどまでに原価の高いマシンだったのでしょう。下げに下げて、我慢に我慢を重ねて25kだったハズです。それが半年も経たずに60%の値段に下がったってコトは相当な痛手でしょう。売れるごとに大損です。しかし、手にした時に与えられるエクスペリエンスに自信があるからこその決断だと思います。確かにビックリするから! 裸眼立体視スゲエ! これから、その機能を最大限に生かしたソフトが出てくると思うので、迷っている人は是非! 値下げは8/11。間もなくです。たったの15kですよ!

さて、ここからが本題。って前置き長いな! 長すぎるよ! 興味ない人には耐えられないよ! まあね。私もそう思います。そういう人は読み飛ばして下さい。で、本題ですよ。「じゃあ既に買っちゃった人は損だったの?」って話。一万円も差額があればソフトの2〜3本も買えちゃうってもんじゃないですか。ぼったくりだって話じゃないですか。ボルタック商店だって話じゃないですか。思わずWizネタも挟んじゃうって話じゃないですか。意味ないけど。
大丈夫、ご安心下さい。値下げされる直前の8/10までに買った方には「アンバサダー・プログラム」って救済措置が用意されています。先行購入者はファミコンやGBAのバーチャルコンソール作品を20本、無料でダウンロードできるんですって! まあ素敵! しかもその内10本はこのプログラムでしか手に入らない限定作品! なんとも太っ腹なプレゼントです。なかなか考えたもんですな、任天堂さん。

ただし! ココで注意が必要です。アンバサダー・プログラムに参加するためには8/10までに「ニンテンドーeショップ」にアクセスしておく必要があります。今までに一度でもアクセスしていれば大丈夫ですが、心配な人はもう一度繋いでおいて下さい。また、「ニンテンドーeショップ」のアイコンが見つからない人は本体を更新して最新状態にして下さい。詳しくはこちら。
8/10までですよ! 急いで! 持ってる人!

ええと、持ってない人は、ええと、8/11以降にお店で買えば良いんじゃないかと思います。買って裸眼立体視にビックリすればいいと思います。じゃ、そゆことで。