2018/03/27

地テシ:107 「B: the BeginningとNETFLIX」

さあ!「トリスケリオンの靴音」東京公演が始まりますよ! 3/28〜4/8に赤坂RED/THEATERにて。美男と美女とおじさんが、小さな劇場でなんだかバタバタする愛らしい作品です。
赤坂RED/THEATERがちょっと判りにくいのでご説明を。東京メトロ赤坂見附駅と赤坂駅の間くらいにあります。どちらからも10分足らず。外堀通りと一ツ木通りの間にある、ちょっと細めのエスプラナード赤坂通りに面した「赤坂グランベルホテル」の角が入り口です。そこから地下におりて下さい。ちなみにホテルの一階にはオープンカフェのようなパブがあるので見つけやすいと思います。


とても綺麗な劇場ですが、ロビーが狭いのでお気を付けて。お待ちしております。

さて、3/2からNETFLIX独占で世界同時配信が始まったオリジナルアニメ「B: the Beginning」。第一話には私もクエンという役で声を当てています。周りは超有名な声優さんたちばかりなのに何故私が起用されたのかよく判りませんが、とにかく出ています。そして一話で死にます。
いや、確かに一話で死ぬんですけど、その後の展開が気になってしょうがない。手渡された台本は第一話だけですから、その後のストーリーが気になってしょうがない。なので、コレを機会にNETFLIXの会員になって順次視聴している所なんですが、いやあ面白いですよ! クライムアクションでもあり、サスペンスでもあり、超能力ものでもあり。クールな絵柄と展開なのに、コミカルなシーンも多くて見応えがあります。アクションがまたヌルヌル動くのよ。さすが中澤一登、さすがProduction I.G。
NETFLIXは一ヶ月の無料体験もありますから、一度試してみるのはいかがでしょうか。PCやスマホで見られますが、実はPS4でも見られますよ。これが軽快な操作も相まって快適なんです。オススメです。

そんなワケでNETFLIX会員となった私。いやあ、凄いですね。莫大な数の映画やドラマが見放題ですよ。いや、Huluとかamazon Prime Videoとか、他でも似たようなもんだと思うんですが、定額見放題サービスって凄いなあ。
せっかく会員になりましたんで、B: the Beginningを順次見ながら、色んな映画を見漁っている私です。

でね、映画見放題といわれても、ついまた見ちゃう作品ってありませんか? 新しい作品にも興味があるんだけど、何度も見た作品をまた見ちゃうコトってありませんか? 自分にとって新しい作品を見る時には、ちゃんと最初から最後までノンストップで見たいじゃないですか。となると二時間くらいまとまった時間が必要になるんですよ。
そうじゃなくて、ちょっとした時間がある時とか、何か作業をしながら「ながら見」がしたい時とか、前半だけ見たいとか好きなシーンだけ見たいとか、まあそのような場合には、またいつもの作品を見ちゃったりするんですよ。
そんな、つい見ちゃう作品、皆さんにもあるんじゃないでしょうか。私にはあります。

映画として好きな作品はたくさんありますが、何度も見たくなる作品ってちょっと違うんですよね。気軽に見られて楽しいヤツ。そういうのが何度も見たくなるんでしょうね。テレビの洋画劇場みたいなのも含めて少なくとも十回は見た作品ってなんだろう。パッと思いつく作品を思い浮かべてみて気がつきました。「ブルース・ブラザース」「オーシャンズ11」「Mr.&Mrs. スミス」そして「カリオストロの城」。全部犯罪者が主人公です。そしてコミカルです。さらに音楽が良い! 好きな作品ってやはり似てしまうんですね。
なんか気持ちよすぎて見ていて涙が出てきます。B級だとかコメディだとかはどうでもよくて、ただただ気持ちが良いんです。よく知っているハナシをまた見る。その時間が心地いいんですね。

コレは、好きな曲をまた聴くのと近い感覚かもしれません。好きな曲って何度聞いてもいいですよね。だって好きなんだから。そんな、あって当たり前の映画。そして音楽。さらには小説やマンガもそうでしょう。好きなモノは好き。それでいいんだと思います。そんなことを思いながら色んな映画を見漁っているってワケ。

そんな気軽な感覚でNETFLIXに入会してみるのはいかがでしょうか。

2018/03/19

地テシ:106 「トリスケリオンの靴音」のオススメ

いよいよ劇団☆新感線「修羅天魔」の幕が開いたようですね。自分の劇団のコトなのになんだか他人事なのは、全く関わっていないからでしょうか。もちろん大いに気になりますし、成功も祈っているのですが、今の私は自分のことで手一杯です。

自分のこと、それは3/28に幕を開ける「トリスケリオンの靴音」です。私にとって初めての三人芝居、初めての赤坂RED/THEATER。とても面白いモノになりそうです。
公式HPのあらすじではちょっと怖そうな、ちょっと難しそうなカンジになっていますが、全然怖くもありませんし難しくもありません。ダメな三人が何故だか集まって、徐々に距離を縮めながら展開する一週間のハナシです。
笑えるし泣けます。笑うといっても爆笑ではありませんが、ダメなのに何故だかいとおしい三人の織りなす人間関係が心をくすぐると思います。
作・演出の堤泰之さんと頼もしいスタッフ、そして碓井将大、赤澤ムック、そして私の三人のキャストが徐々に距離を詰めながら稽古をしています。なにしろ三人しか出ませんからみんな出突っ張りだしセリフも膨大です。でも、濃密な稽古をしながらなんだか面白い作品が出来上がっていっています。

東京は赤坂RED/THEATERにて3/28-4/8、大阪は一心寺シアター倶楽にて5/11-13です。1300人も入らないけど、客席が回ったりしないけど、久しぶりの小さな劇場でのお芝居が楽しくて仕方がない私です。気になっている方は是非ともお越し下さいませ。

2018/03/06

地テシ:105 「財団法人親父倶楽部」

今年ももう三月。花粉が飛び交う季節です。私は花粉症ではないのですが、何しろ慢性のアレルギー性鼻炎なので花粉にも反応してしまいます。もうずっと坑アレルギー剤飲んでます。公演中はずっと、そして春もやっぱりずっと飲んでます。いや、違うって、花粉症じゃないんだって。ホントだってば。

さて、三月には私が宣伝美術を担当したプロジェクトKUTO-10「財団法人親父倶楽部」の公演がありますよ。結成からほぼ全てのチラシを作らせて頂いている劇団です。ていうか、今ではココしかチラシを作っていません。今回はこんなカンジ。




大阪公演3/7〜12がウィングフィールド、山形公演3/15〜16が山形市民会館小ホール、東京公演3/20〜25が下北沢 小劇場B1。大阪公演はもう目前。



今作「財団法人親父倶楽部」の作・演出は後藤ひろひとさんですから、かなりハチャメチャな面白い作品になりそうです。そう、かつては遊気舎の座長として数々の奇作を送り出し、また同時に数多くのプロデュース公演に劇作家として名作を書き下ろしている天才作家です。演劇好きなら誰もが知っているのではないでしょうか。
例えば「ダブリンの鐘つきカビ人間」、あるいは「人間風車」や「止まれない12人」。また「ガマ王子vsザリガニ魔人」は「パコと魔法の絵本」として映画化もされました。

私自身も後藤作品には何度も出演していて、特に「BIG BIZ 〜宮原木材危機一髪!」はとにかく面白くて面白くて、出演していることを誇りに思っているほどです。そんな後藤さんが「馬鹿親父達が馬鹿親父達として舞台で暴れ、馬鹿親父達として死んでいく話を書きたくなった。」とチラシコメントで書いているんですから、コレは面白くないわけがない! センターにいる工藤俊作、保、久保田浩の三人が思う存分暴れまくる作品になると思います。
私も是非とも東京公演を見に行きたい! 私が見に行かなくてどうする! とは思うのですが、なにしろ私も本番直前です。見に行けるかどうか…。
大阪の、山形の、東京の皆様、後藤さんの作品のファンなら、KUTO-10のファンなら、是非とも見に行って下さいませ。チケットはこちら!

2018/02/28

地テシ:104 ツキのツギ

終わった〜! 三ヶ月に及んだツキドクロが無事に終わりました。いや、なんとか終わりました。ご来場頂きましたみなさま、そして来られなかったみなさま、ありがとうございました。色々ありましたがなんとか終えることができました。
上弦、下弦ともそれぞれに色があり、それぞれに華があり、照ったり陰ったりしながら夜空に輝くことができました。苦労しながらも輝ける、それはみんなが真面目にツキあったからですね、月だけに。

さて、ツキのツギはゴクです。私は直接関わることはありませんが、新たな髑髏城を見せてくれることでしょう。私も楽しみです。
さらにその後にはメタルマクベス三連作が発表されてしまいましたね。私はDisc1Disc3に出演いたします。今度は髑髏城Season花鳥風月極のようには脚本も演出も大幅に変わらないそうです。基本的に同じ脚本を同じ演出でお届けします。キャストが変わるだけ。うん。でも、それでも結局別の作品になることはツキドクロで証明済みです。というワケで、今年の後半も是非とも豊洲六丁目に通って下さいませね。

私自身としてましては、この後はまず「トリスケリオンの靴音」の東京公演です。3/28〜4/8に赤坂RED/THEATERにて。そのツギの「若様組まいる 〜アイスクリン強し」が4/27〜5/6にサンシャイン劇場にて。さらに「トリスケリオンの靴音」大阪公演が5/11〜13に一心寺シアター倶楽にて。今年前半は飛ばしていきますよ。
その後が「メタルマクベス」をIHIステージアラウンド東京でってワケ。また夏と冬に豊洲六丁目ですよ。また東京の右下ですよ。そんな東京の右下について書いている新感線公式Facebookの連載もまだ続きます。さあ、ツギはどの下町でしょう。

そんなワケで、今年も舞台が満載。まだまだおツキあい下さいませ。

2018/02/20

地テシ:103 2017年の本と映画のハナシ

「若様組まいる 〜アイスクリン強し〜」の写真リンクから飛んできたみなさま、こんにちは。小泉琢磨役の粟根まことです。この怖い顔のおじさんはこんなブログを書いています。公演はまだまだ先ですが、ゴールデンウィークにお会いできることを楽しみにしておりますよ。

さて、ツキドクロ上弦もいよいよ1ステージを残すのみ。なんとか無事に最後まで夜空に輝き続けたいと思います。が、そんな中、去年のまとめの続きです。え〜! まだかよ! まだ去年のまとめやってるのかよ! もう二月も後半だよ! いや、私もそう思うのですよ。さっさと終わらせるから! 短くまとめるから!

私が読む本というのは、愛用のアウトドアベストのポケットに入る文庫本が中心なのですが、小説には限りません。いや、むしろ雑学本の方が多いかもしれません。雑学本というか解説本というか、歴史や鉄道や科学や地形について面白く書いている本。ああいうのが大好物なんですよね。
バラエティ番組「アメトーーク」の「読書大好き芸人」は大好きでして毎回見ているのですが、あそこで扱う「本」というのがほぼ小説に限られているのがちょっと不満。いや、いいんですけどね。

で、昨年読んだ解説本で面白かったのが「元素をめぐる美と驚き」(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)。元素ってのは理科の時間に習う酸素とか水素とかカルシウムとか、あれですよ。そんな元素について判りやすく解説しているのですが、面白いのが自然科学的目線ではなく人文科学的な目線でまとめていること。つまり、理系じゃなくて文系的なアプローチなのです。
普通の化学本なら、元素の性質とか化合物とかの説明が中心になります。もちろんそのあたりもザックリと説明はしていますが、それよりもその利用のされ方に注目しています。絵の具の顔料や文学の題材、彫金の素材、権力の象徴。元素が人間の生活にどのように影響を与えているかを美しい文体でまとめています。
例えばカドミウムは発色が良く、多くの顔料に使われてきましたが、その毒性の強さによって使用が制限されつつあります。今ではありふれたアルミニウムも、始めはその珍しさから金銀と同等の貴金属として扱われていました。
百を超える元素を「力・火・工芸・美・大地」という五つのカテゴリーに分けて詳しく解説しています。確かにちょっと判りにくい内容ではありますが、判りにくいのに面白かったので二回続けて読んでしまいました。元素についての雑学本的な側面もありますので、意外と楽しく読めますよ。
ただ、邦題がねえ。原題は「Periodic tales」なのですが、これは元素周期表を表す「Periodic table」をもじってある粋なタイトルなのです。まあ、邦題も内容が判りやすくていいんですけどね。

小説では、昨年出た本ではありませんが、伊坂幸太郎さんの「マリアビートル」(角川文庫)が楽しかったですね。キャラメルボックスの成井豊さんに勧められたのですが、これがまあ面白い! いつもの伊坂調でスピード感がありながらシニカルなユーモアもあって、しかもキャラが個性的。ていうかクセが凄い。
三人の暗殺者の話「グラスホッパー」の続編ですが、前作を読んでいなくても大丈夫。今作はほとんど全てのシーンが東北新幹線車内だけ。東京発盛岡着の新幹線になぜだかたくさんの暗殺者が乗り合わせてしまって大騒動。それぞれの思惑が交錯しまくって展開が読めません。かつて走る東北新幹線車内で行われたミステリーイベントであるJR東日本シアターエクスプレス「やまびこ65号、応答せよ!」に犯人役で参加した私としては感慨深いモノがあります。
つい先日には舞台版も上演されました。長編を短時間にまとめるのは大変だったと思いますが、スタイリッシュな演出でカッコよく仕上がっていました。知り合いでは平野良くんと碕理人くんが出ていまして、彼らを含めてみんなイメージ通りの配役だったのも嬉しいですね。


ついでに映画のハナシ。「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」も昨年の内に見られました。しかも4DXで。なんだか周りでは意外と不評なんですが、私は楽しかったですよ。特にEP5やEP6のことを思い出しながら見ていると上手く裏切られたりして、色々と考えているなあと思いました。
そして今年期待しているのが「レディ・プレイヤー 1」。原作の「ゲーム・ウォーズ」が面白かったという話は以前の記事をご参照下さい。そんな作品がスピルバーグ監督で映画化されるってんですから気になるじゃないですか。タイトルが原題に戻っているのも嬉しいところ。



あとは来年公開予定ですが「モータル・エンジン」。予告映像が面白そうなんで、今は原作を読んでいるところです。原作はフィリップ・リーヴの「移動都市」(創元SF文庫)でして、処女作らしい勢いとアイデアと、ちょっとつたないところも愛らしい。本職がイラストレーターということで、描写が映像的なこともあって、映画版にも期待ができます。




そんなこんなでやっと2017年がまとまりました。そしてツキドクロもやっと終わります。いやいや油断は禁物。気を引き締めて行きましょう。しかし、千穐楽の前日が休演日というのも変な気分ですねえ。では、また。